飯田邸 / IIDA HOUSE

設計 ship architecture / 中村俊哉+藤井愛
構造 平岩構造計画
施工 山下工務店
写真 関拓弥

設計期間 2021年12月〜2022年9月
施工期間 2022年9月〜2023年4月
構造   木造
敷地面積 74.36㎡
建築面積 34.78㎡
延床面積 50.28㎡

architect:
ship architecture / toshiya nakamura + ai fuji
structural design:HSC
constructor:Yamashita Komuten
photo:Takuya Seki

design:2021.10〜2022.09
construction:2022.09〜2023.04
structure:wooden
site area:74.36㎡
building area:34.78㎡
floor area:50.28㎡
東京郊外の住宅地に建つ 延床面積50㎡の小さな住宅。
間口3間×奥行3.5間を田の字型平面とし、北側斜線によって導かれた6寸勾配の切妻屋根をのせたシンプルな構成である。
田の字の1/4を庭、残り3/4を室内とした。1階は庭からアプローチする土間の台所で 天井高さ3845mmとしている。
天井高を抑えた2階には水廻り設備とベッドを配し、空間全体を立体的に廻るような階段とキャットウォークが絡みつく。

この住宅にはまず「台所と庭」があり、それを味わうようにまたは補完するように居場所や諸機能を計画している。
施主家族にとって 食にまつわる時間と公園の木陰でくつろぐ時間は何よりも大切であり、施主はその時間を家に内包することを望んだ。
朝食のいい匂いで目覚め、葉風を感じながら仕事をし、子どもと天体望遠鏡を覗きながら晩酌する。
「台所と庭に住む」ように生きる家族のための家。
敷地は南東の2面接道で、南側は人通りの多いT字路下り坂の突き当りに位置している。
南西の奥行きのある「庭」は、通りからの視線を受け止めプライバシーを確保する緩衝帯であるともに、西側隣家の庭と連続して感じられる奥行きのある明るい環境をつくっている。
屋根の開口部は 「庭」に光と雨を届けると同時に、開口に向かうように2階に上がるとT字路の開放感とその先にある森への眺望をもたらす。北東の開口部はキャットウォークをまたぐ高さに規格寸法のサッシを取り付けた。通りからは住人と視線が交差することなく窓越しに庭の緑がのぞく。